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タグ: STG/I

STG/I:第七十七話:追撃

「はっきり言おう。お前を乗せてだと安心できねーんだよ。静、来い!」

作戦室のドアが開くと静が会釈をしている。

顔を上げると笑みをたたえていた。

扉の外で待機していたようだ。

「ビーナス、お前は降りろ。俺が行けないのなら静に乗ってもらう!」

ミリオタはビーナスを睨み、命じた。

「応じられません」

「黙れや。フェイクムーンでお前のしたこと、静にした仕打ち・・・許さねえからな」

STG/I:第七十六話:傷をもつ男

車が出される間、サイキは言った。

 

「俺に出来ることは何でも言ってくれ。何でもする! 言う機会を逸したが、シューニャが言っていたSTG28のゲーム運営会社あるだろ? 買収して今俺のグループ会社になっているから、さっきのデータ解析も強ち不可能じゃないかもしれん」

「え?・・・でも、あの会社を買収することは出来ないのでは・・・」

「言っても株式会社だよ。方法は幾らでもある」

 

黒い顔をしている。

彼の知らないサイキがいた。

STG/I:第七十五話:点と線

寒気がしてか、反射的に二の腕をさする。

 

「コロニーって・・・蟻のコロニーと同じようなものですかね?」

 

サイキは「我が意を得たり」という表情で彼を見た。

STG/I:第七十四話:時間稼ぎ

「参加者が仮に誰も居なくとも、部隊員の動き自体もシミュレート出来るでしょう。百回でも千回でも糸口を探しましょう。一秒でも時間を稼ぐ方法を。でも、何の足がかりもなく皆は出来ないでしょう。私も正直キツイですよ。あのドームだって明確な目的があった。あの扉の先に倒すべき相手がいる。ステージはいつか終わる。だからこそやれた。今のSTG28にそれがあるでしょうか? 距離もわからないマラソンを出来るでしょうか? ペース配分が出来ないというのは致命的だと思うんです。どこのコアを破壊すれば勝ちなんでしょうか? どの将軍を討ち取ったら終わりなんでしょうか? どの基地を、星を破壊したら勝ちなのか。探す糸口すら私達には無い。だからこれまでは敵を迎撃することに終始していた。それが目的だと勘違いしていた。いつか終わるものと勝手に思い込んでいた。恐らくマザーは目的を言っていないはずです。ゲームの招待メールにも『地球を守る戦いに参加して下さい』的な内容だったと思います。マザーは警報を出し、我々が迎撃する。破滅するまで終わりの無い戦い・・・」

STG/I:第七十三話:衝突

「にしても日本人ばかり痛めつけやがって・・・。横の連携もマザーの連中は俺たちに任せているが、リアル国家間ですら上手くいかないのに、好き勝手やりたいゲーマーが集まったって、土台連携なんてとれるわけがない。お前には言ってなかったけど、過去何度と無くそうした取組があったことは記録にある。無様の一言に尽きるぞ。どいつもこいつも身勝手の欲深いクソ共ばかり。ゲームにまで過去の出来事や政治を持ち込む輩もいる。終いには政治家気取りの肥太った豚のたまり場になった。そいつらときたら口ばかりで何もやらない。徹頭徹尾保身の塊だ。それにしてもマザーは日本にばっかり押し付けすぎだろ・・・そう思わないか?」

STG/I:第七十二話:クソゲー

自殺。

言われて気付いた。

自分の命の落とし所を考えてのヒロイズム行為と問われれば「違う」とは言い返せない。

心の奥底に潜む「終わりにしたい」という無意識の塊。

地球を守るという体の自殺。

シューニャは頭を抱え項垂れると頭に爪を立てた。

頭を握りつぶさんばかりに十指を食い込ませる。

「でも・・・隕石型宇宙人に食われるか、ブラック・ナイトに食われるかの差でしかないんじゃないですか。どっちがいいというわけでもない・・・。仰るように私がアレに乗ることは破滅のBプランでしかないような気がしないでもない・・・だとしても、時間は稼げる。時間は何よりも代えがたい。タイム・イズ・マネー。時は金なりと言いますが、実際、金以上です。時は代替がきかない。その時を稼ぐことに意味が無いってサイキさんは言うんですか?」

STG/I:第七十一話:紡いだ言の葉

サイキは頭を乱暴にかき乱すと、何度か自分の頬を叩いた。

声にならない呻き声を上げ、項垂れた。

「単なる推測ですが・・・」

「なんでもいい・・・言ってくれ。俺に構わず。全部。全部言ってくれ」

「マザー達の真の狙いはブラック・ナイトなんじゃないですかね?」

サイキは顔を上げた。

STG/I:第七十話:サイキ

思いを巡らすほど焦燥感は拭いきれない。

宇宙が動き出した時、一体何が出来るというのだろうか。

自分の身体だっていつ動かなくなるかわからない。

以前みたいに発作めいたものが起きた時に投入出来る薬剤もない。

自分の肌は四日と正常を保てないのも明らか。

多少体力が向上したとは言え、無理をして動けるのはせいぜい数日といったところ。

STGIを得たところで大海の一滴なのは明らかだ。

STG/I:第六十九話:暗中模索

ミリオタさんの話はこれといって大したものではなかった。

静の新衣装について意見を聞きたかったらしい。

しかも静がシューニャを呼んで欲しいと懇願したからだそうな。

静は顔を赤らめ「いかがでしょうか」と言い、くるりと回った。

衣装は巫女。にしては少し露出度が高めな気がするが。腰のスリットが大きい。

個人的には古式ゆかしいデザインの方が好みだが。

STG/I:第六十八話:青い鳥

三日が過ぎたがシューニャはSTGIには乗っていなかった。

 

フェイクムーン撃退(公式虚偽)というお祭り騒ぎも一通り鎮まり、隕石型宇宙人の襲来の警報もなく、ロビーは何事もなく日常に戻っている。皆はそれぞれ元の生活に戻り、本部に警告した事柄が一般の搭乗員へアナウンスされることは無かった。

考えようによっては無理もないかもしれない。何せ自身の部隊員ですら説得できたわけではない。部隊員を招集し、現在ブラックナイト隊兵器開発部では対巨大隕石型宇宙人への主力武装の開発と、超小型隕石型宇宙人への対抗策を練っていると伝え、今後そう遠くないうちに隕石型宇宙人の大規模な進行が始まるだろうと告げた。

当然ながら質問が出る。「何を根拠に?」対して「STG21からの警告です」と答えた。その後の様子は想像に難くないだろう。議論にならない対話に終始した。饒舌なシューニャは最終的に口を閉ざした。そもそも根拠が無いに等しい。議論するような状態ではない。最早こうしたテーマでは ”その人自身を信じるか信じないか”  という極めて曖昧な世界に入ってくるからだ。下手をすれば新興宗教的世界。説明をつけることは簡単だった。むしろ得意と言える。全てに説明はつけられるのだ。それだけに説得をしないことにした。言いくるめていいような事案ではない。命、生き方が関わってくる。それは到底背負えるものではない。

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