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タグ: STG/I

STG/I:第九十二話:陰陽

「おまっ! マジで言ってんの」

「ちょっと待って下さい! その前に」

エイジはナユタのチャージがタイムスケジュール通りに行われていることに気づいた。

「シャドウ、ナユタのチャージを一時停止して。五十%以上のエネルギーは全て各船へ均等に返して。五十%は維持。取り敢えず、シャドウから全パートナーへ修繕を最優先でって伝えて」

「わかったわ」

真っ黒なエイジのパートナー、シャドウが落ち着いた女性の声で答える。

STG/I:第九十一話:レフトウィング

「目が、目が!」

「落ち着いて、時期に慣れる筈だから」

「慣れなったからどうするんだよ! 誰が責任とるんだ!」

「見えない! 見えないよ!」

「あれ、声が聞こえないぞ、耳、耳が」

「あー! あーっ! あれ? 誰か、聞こえる? 誰でもいい喋って!」

「自分の声が聞こえない! 助けて・・・怖い!」

「責任とれよ! このクソが!」

STG/I:第九十話:光

「支指示りに動け! 委員会に逆らう奴は全員反逆罪で即刻ログアウトさせる!」

本部からの激が飛ぶ。

その声は臓物が飛び出しそうなほど緊張していた。

遅々として整わないフォーメーション。

パートナーによるスムーズな変形を拒む小隊が多数。

「お前らがそのつもりなら委員会を抜けるぞ!」

飛び交う怒号、膨らむ恐怖心。

駆け引きや取引。

「どうせ死ぬんだ好きなようにさせてくれ!」

視野狭窄。

自暴自棄。

伝染するパニック。

「やだ! もう帰る! ママに会いたい!」

広まる流言。

「ブラック・ナイトに食われると地獄のような苦しみを永遠に味わうそうだぞ」

「神の化身を攻撃していいはずがない!」

時間がかかればかかるほど、手間どれば手間取るほど、それらは勢いを増した。

一部の部隊が禁を犯すことで、崩壊が意図も簡単に始まる。

「プラーグ隊、大連隊を強制離脱しようとしています!」

「違法コード確認!」

「ライトウィング第百五十ブロックフォーメーション崩れます!」

早くもほころびを見せる巨大兵器。

お知らせ:STG/Iの連載について

  • ご挨拶
    GWですね!何やら10連休の方もいるそうですね。
    大方の勤め人にとってはそうではないのでしょうが、本当にお疲れ様です。
    読んで下さっている皆様は如何お過ごしでしょうか。

 

  • ご連絡
    4月に少なくとも1話はアップ出来る算段でしたが無理そうです。
    5月は十中八九出来ないので、6月に4月に上げたかったものをアップ出来るかどうか、といった感じです。少なくとも9月まではかなり立て込んでおり厳しい状況ですが、お待ちいだければ幸いです。

STG/I:第八十九話:贄

今回のみ実験的に音声合成による朗読を作ってみました。

日本・本拠点 防衛圏外縁部。

 

隠蔽しつつ距離をおいて着地する。

どの程度でバレるかわからない。

味方から敵と認知されても厄介。

敵を知り己を知れば百戦殆うからずとはよく言ったもの。

今の自分は、敵はおろか、自分もわかっていないことが判った。

 

(STGレベル十の索敵装備を調べる必要がある)

 

凄まじい数のSTG28が集結しているのがわかる。

初めてブラック・ナイト防衛戦に参加した時は数が少なかった。

如何に今が充実しているかが伺える。

STG/I:第八十八話:空腹

寝転がってウトウトしているシューニャ。

大きな陰ができる。

陰に気づき目を開けた。

その正体を見上げる。

「グリンじゃないか、どうした、随分と大きくなって」

身の丈十メートルほどあろうか。

グリンはシューニャを見ると、何時ものように頭の中に語りかけた。

STG/I:第八十七話:独り

帰還して一週間が過ぎる。

 

思索と対話と実験の日々。

聞くに、宇宙人共は襲ってこないようだ。

ただ、波の様に不安が襲ってくる。

この前も、その前も、本部は把握していなかった。

あの時、ビーナスの提案通りにソナーを打っておいた方が良かったかもしれない。

 

過去の判断に対する後悔が津波となって押し寄せる。

STG/I:第八十六話:天岩戸

ハンガーに引き篭もり三日が過ぎた。

先程、その時を迎える。

ビーナスのタイムリミット。

言葉が浮かぶ。

 

(始まりはいつも静寂から。爆発的な衝撃を伴って事は動き出す)

STG/I:第八十五話:帰還

「お前ら・・・本当にAIなのか? 人間より人間らしいじゃねーかよ・・・」

ミリオタは声を震わせ言った。

「え・・・」

「隊長権限で覗かせてもらった。色々心配でな。ぶっちゃけこの三日ずっと覗いていたよ。ハンガーに向かったビーナスを見て『遂にやらかすか』と思って慌ててこんなもん持ってきちまったけど・・・」

アンブレイカブルを見る。

「隊長なんてやるもんじゃねーな。疑り深くなっていかん。今の話・・・全部聞いたよ。入るタイミングを逸しちまった」

静の表情から険しさが消えた。

「お前ら・・・泣くだろ。お涙頂戴だとわかってるけどよ!・・・テンプレ過ぎんだよ・・・ちょっとは考えろよ・・・」

STG/I:第八十四話:殉死

再接続をすると「権限がありません」と出た。

マザーを含め他のデータベースへのダイレクト・アクセスが出来なくなっている。

人間や静のようにキーパンチし、ゲスト扱いで検索しないといけないことを意味する。

ゲストとして閲覧出来る情報は限りがあり、ほとんどパブリックコンテンツに限られたと言われているに等しい。

彼女は人間よりは優れているがSTGホムスビにしか乗れない存在になった。部隊パートナーにほとんどの点で劣る性能。アンドロイドなら椀部を展開させ千手観音のごとくパンチすることも可能であり、キーパンチを使わないマシン・アクセスも出来る。生体である搭乗員パートナーは出来ない。最早アンドロイドより遅く、弱く、活動限界も短く、他の部隊員のSTGも操舵出来ない。それが今のビーナスである。

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