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作者別: zyuge

STG/I:第八十話:ダンス

確信した。

 

こいつはグリンじゃない。

動きで感じられる。

性格の違い。

犬や猫ですら個性はある。

虫でもだ。

全ては違う。

それが自然物。

彼らも同じ。

あんな攻撃的なアメジストも有り得るんだ。

思い込んでいた。

アメジストは積極的には攻撃してこないと。

自分の都合のいいように受け取っていた。

STG/I:第七十九話:猜疑心

ノロノロとしたフォーメーション。

胃を鷲掴みされたような感覚。

「隊長ぉ~、チラっと見ます?」

「何を?」

やや棘がある言い方をしてしまう。

マルゲリータがモニター越しにシューニャを見た。

「戦利品ですよ~」

「うん。後でね」

「まあ、そう仰らずに」

モフモフ毛布のSTG羽毛布団の後部コンテナが少し開いた。

仕方ないヤツだ。

「・・・隕石の一部?」

フォーメーションが整う。

STG/I:第七十八話:合流

小隊や部隊で情報を共有している場合、当然ながら判断材料は多い。

センサーもSTGの装備レベル・タイプで雲泥の差。

それだけに、どの小隊でも索敵専用のSTGを一機は入れる。

二機いればなおのこと心強い。

時代が変わっても情報は勝負を決める。

STGの索敵装備には情報撹乱武装もある。

情報をどれだけ得るか。

STG/I:第七十七話:追撃

「はっきり言おう。お前を乗せてだと安心できねーんだよ。静、来い!」

作戦室のドアが開くと静が会釈をしている。

顔を上げると笑みをたたえていた。

扉の外で待機していたようだ。

「ビーナス、お前は降りろ。俺が行けないのなら静に乗ってもらう!」

ミリオタはビーナスを睨み、命じた。

「応じられません」

「黙れや。フェイクムーンでお前のしたこと、静にした仕打ち・・・許さねえからな」

STG/I:第七十六話:傷をもつ男

車が出される間、サイキは言った。

 

「俺に出来ることは何でも言ってくれ。何でもする! 言う機会を逸したが、シューニャが言っていたSTG28のゲーム運営会社あるだろ? 買収して今俺のグループ会社になっているから、さっきのデータ解析も強ち不可能じゃないかもしれん」

「え?・・・でも、あの会社を買収することは出来ないのでは・・・」

「言っても株式会社だよ。方法は幾らでもある」

 

黒い顔をしている。

彼の知らないサイキがいた。

STG/I:第七十五話:点と線

寒気がしてか、反射的に二の腕をさする。

 

「コロニーって・・・蟻のコロニーと同じようなものですかね?」

 

サイキは「我が意を得たり」という表情で彼を見た。

STG/I:第七十四話:時間稼ぎ

「参加者が仮に誰も居なくとも、部隊員の動き自体もシミュレート出来るでしょう。百回でも千回でも糸口を探しましょう。一秒でも時間を稼ぐ方法を。でも、何の足がかりもなく皆は出来ないでしょう。私も正直キツイですよ。あのドームだって明確な目的があった。あの扉の先に倒すべき相手がいる。ステージはいつか終わる。だからこそやれた。今のSTG28にそれがあるでしょうか? 距離もわからないマラソンを出来るでしょうか? ペース配分が出来ないというのは致命的だと思うんです。どこのコアを破壊すれば勝ちなんでしょうか? どの将軍を討ち取ったら終わりなんでしょうか? どの基地を、星を破壊したら勝ちなのか。探す糸口すら私達には無い。だからこれまでは敵を迎撃することに終始していた。それが目的だと勘違いしていた。いつか終わるものと勝手に思い込んでいた。恐らくマザーは目的を言っていないはずです。ゲームの招待メールにも『地球を守る戦いに参加して下さい』的な内容だったと思います。マザーは警報を出し、我々が迎撃する。破滅するまで終わりの無い戦い・・・」

STG/I:第七十三話:衝突

「にしても日本人ばかり痛めつけやがって・・・。横の連携もマザーの連中は俺たちに任せているが、リアル国家間ですら上手くいかないのに、好き勝手やりたいゲーマーが集まったって、土台連携なんてとれるわけがない。お前には言ってなかったけど、過去何度と無くそうした取組があったことは記録にある。無様の一言に尽きるぞ。どいつもこいつも身勝手の欲深いクソ共ばかり。ゲームにまで過去の出来事や政治を持ち込む輩もいる。終いには政治家気取りの肥太った豚のたまり場になった。そいつらときたら口ばかりで何もやらない。徹頭徹尾保身の塊だ。それにしてもマザーは日本にばっかり押し付けすぎだろ・・・そう思わないか?」

STG/I:第七十二話:クソゲー

自殺。

言われて気付いた。

自分の命の落とし所を考えてのヒロイズム行為と問われれば「違う」とは言い返せない。

心の奥底に潜む「終わりにしたい」という無意識の塊。

地球を守るという体の自殺。

シューニャは頭を抱え項垂れると頭に爪を立てた。

頭を握りつぶさんばかりに十指を食い込ませる。

「でも・・・隕石型宇宙人に食われるか、ブラック・ナイトに食われるかの差でしかないんじゃないですか。どっちがいいというわけでもない・・・。仰るように私がアレに乗ることは破滅のBプランでしかないような気がしないでもない・・・だとしても、時間は稼げる。時間は何よりも代えがたい。タイム・イズ・マネー。時は金なりと言いますが、実際、金以上です。時は代替がきかない。その時を稼ぐことに意味が無いってサイキさんは言うんですか?」

STG/I:第七十一話:紡いだ言の葉

サイキは頭を乱暴にかき乱すと、何度か自分の頬を叩いた。

声にならない呻き声を上げ、項垂れた。

「単なる推測ですが・・・」

「なんでもいい・・・言ってくれ。俺に構わず。全部。全部言ってくれ」

「マザー達の真の狙いはブラック・ナイトなんじゃないですかね?」

サイキは顔を上げた。

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