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作者別: zyuge

STG/I:第五十四話:フェイク・ムーン

どうしてあんなことをしたのか。

自分でもわからない。

今まで真面目に生きてきた。

真面目という意識も無いが、他人様に言わせれば真面目らしい。

言われてみると、自らを振り返れば真面目と言えなくもない。

裏切られたことはあっても、裏切ったことない。

約束を積極的に破ったこともない。

守り通すことに力を注いだ。

そんな自分がどうして。

STG/I:第五十三話:セーブポイント

「はは」

笑い声が出た。

「HAL9000か!最高かよ!わかってるな宇宙人!やっぱりSFと言えば・・・」

急に冷めた。

非常灯のようなランプが壁に埋め込まれている。

その下にボタン。カバーがしてある。

左右にはマイクがあるのか小さな無数の穴が円状に。

その上にはカメラかセンサーかの窓。

それは日本人的に言えば屋内用の消火栓に見えた。

STG/I:第五十二話:マザー・ルーム

(俺は何をしているんだ)

 

マザー・ルームに入ることは出来ない。

たとえ戦果を導入しても不可能である。

それは宇宙人と取り交わした地球人の約束と聞いたことがある。

 

一人を除いて。

STG/I:第五十一話:取引

「出して」

 

暗闇の中から声がする。

 

「出して」

 

(夢か)

 

シューニャは子供の頃から夢かそうでないかを夢の中で見分けた。

夢だからなんでも出来ると思ったら大間違い。

「夢だからといってお前の思い通りにはさせないからな!」

そんなセリフを夢の中で登場人物に言われたこともある。

 

「出して」

STG/I:第五十話:捕獲

「マルゲリータ、君に操縦桿を一時譲渡したい。それで索敵して欲しいんだけど、頼めるかな?」

「操縦は下手なんだけど・・・」

「じゃあ、レーダー管制システムをお願い出来る?自分が思うタイミングでソナーも使っていいし」

竜頭巾が不満を露わに見ているのが伺える。

「皆さん、戦闘における迎撃態勢は竜頭巾副隊長の指示に従って下さい」

皆がめいめいに応じる。

STG/I:第四十九話:アメジスト

アカウントを凍結されたドラゴンリーダーが警告した最重要敵宇宙生物の一つ。それがアメジスト。

隠密性に長け、活動を開始すると周辺宙域は通信障害が発生。中遠距離通信は完全に途絶される。度重なる要請にも限らず対応措置は今もなお施されていない。

宇宙人曰く「どういう原理で通信障害を発生させているか不明」と。対策をとる為の条件としてアメジストを生死問わず捕獲することを要求され、幾度となく捕獲部隊が編成されたが全ては失敗に終わっている。

そもそも宇宙人は当初アメジストの存在を否定していた。つまり彼らすら知らない新しい敵対生物。地球人によってその存在が明るみになったことで、宇宙人は逆に地球人に積極的に捕獲を促し、戦果報酬もバブル時で十倍まで跳ね上がった。

そもそも数が少ないこと、ソナーで辛うじてでも捉えられること、世代交代、様々な理由から脅威性は次第に薄れ、いつしか多くの搭乗員にとって忘れ去られた存在になった。

STG/I:第四十八話:マルゲリータ

マルゲリータは内気な子だった。

年齢は知らない。

恐らく竜頭巾とそう変わらないだろう。

中の人の性別は不明。

シューニャは恐らく女子だろうと思っている。

竜頭巾が女性だといことは言動から直ぐにわかった。

マルゲリータはブラックナイト隊では新参者にあたる。

シューニャがスカウトする形となる。

彼女はキャラクターを演じないタイプだったが、その素行から女性だということは容易に判別出来た。

STG/I:第四十七話:スキマ

「異常な~し」

「戻りますか」

「終わった終わった。あーあ」

宇宙を翔ける白い円錐。

STG。

高度な文明を有する謎の宇宙人が提供する攻撃機体。

どことなく巨大なピラミッドに見えなくもない。

(ピラミッドも地下を掘ったらこんな感じなのだろうか)

帰還していく三機。

STG/I:第四十六話:疑惑の人

眠っている竜頭巾。

隊長がアカウントの凍結をされてからマイルームとシミュレーターを往復する日々。

 

このゲームでは所謂疲労システムがある。

一定以上疲労が蓄積すると行動出来なくなるものだ。無理をしてやることも出来たが、その際はライフメーターの減少や操作にズレやブレが出る仕様となっている。ライフがゼロになれば当然キャラクター死があり、それは同時にアカウント停止を意味する。ロビーで逝くことも可能だ。拠点内で可能な格闘でもライフは減る。それ故にロビーでは警察システムもあり、マザーによって監視もされている。

疲労システムは必ずしも珍しいものではないが、様々なゲームで批判の的に晒され多くのオンラインゲームで撤廃、課金要素とされた。本ゲームも同様で課金である程度回復することも出来たか、それは即時発動でもなければ効果もそれほど高いものではなく不評を買っている。宇宙人への仕様変更の要望も過去何度も試みられたが、変更不能の仕様として突っぱねられていた。アバターはリアルな人間より遥かに優れていたが極めて人間的なものとも言えた。

STG/I:第四十五話:乖離

グリンはあの日以来ログインしていない。

竜頭巾が宇宙人と聞いてグリンを想起した一方で、リーダーとミリオタの脳裏を過ぎったのはサイトウだった。もっともそれを言葉にすることは出来ない。彼がどれほどサイトウに心酔しているかは誰も知っている。ミリオタですら言葉にすることを躊躇うほど。

一方で彼がいなかったら地球は無かったとことは重々承知している。それが言葉を容易に発せなくさせてもいた。

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