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ジュゲの小説 Posts

STG/I:第四十九話:アメジスト

アカウントを凍結されたドラゴンリーダーが警告した最重要敵宇宙生物の一つ。それがアメジスト。

隠密性に長け、活動を開始すると周辺宙域は通信障害が発生。中遠距離通信は完全に途絶される。度重なる要請にも限らず対応措置は今もなお施されていない。

宇宙人曰く「どういう原理で通信障害を発生させているか不明」と。対策をとる為の条件としてアメジストを生死問わず捕獲することを要求され、幾度となく捕獲部隊が編成されたが全ては失敗に終わっている。

そもそも宇宙人は当初アメジストの存在を否定していた。つまり彼らすら知らない新しい敵対生物。地球人によってその存在が明るみになったことで、宇宙人は逆に地球人に積極的に捕獲を促し、戦果報酬もバブル時で十倍まで跳ね上がった。

そもそも数が少ないこと、ソナーで辛うじてでも捉えられること、世代交代、様々な理由から脅威性は次第に薄れ、いつしか多くの搭乗員にとって忘れ去られた存在になった。

STG/I:第四十八話:マルゲリータ

マルゲリータは内気な子だった。

年齢は知らない。

恐らく竜頭巾とそう変わらないだろう。

中の人の性別は不明。

シューニャは恐らく女子だろうと思っている。

竜頭巾が女性だといことは言動から直ぐにわかった。

マルゲリータはブラックナイト隊では新参者にあたる。

シューニャがスカウトする形となる。

彼女はキャラクターを演じないタイプだったが、その素行から女性だということは容易に判別出来た。

STG/I:第四十七話:スキマ

「異常な~し」

「戻りますか」

「終わった終わった。あーあ」

宇宙を翔ける白い円錐。

STG。

高度な文明を有する謎の宇宙人が提供する攻撃機体。

どことなく巨大なピラミッドに見えなくもない。

(ピラミッドも地下を掘ったらこんな感じなのだろうか)

帰還していく三機。

STG/I:第四十六話:疑惑の人

眠っている竜頭巾。

隊長がアカウントの凍結をされてからマイルームとシミュレーターを往復する日々。

 

このゲームでは所謂疲労システムがある。

一定以上疲労が蓄積すると行動出来なくなるものだ。無理をしてやることも出来たが、その際はライフメーターの減少や操作にズレやブレが出る仕様となっている。ライフがゼロになれば当然キャラクター死があり、それは同時にアカウント停止を意味する。ロビーで逝くことも可能だ。拠点内で可能な格闘でもライフは減る。それ故にロビーでは警察システムもあり、マザーによって監視もされている。

疲労システムは必ずしも珍しいものではないが、様々なゲームで批判の的に晒され多くのオンラインゲームで撤廃、課金要素とされた。本ゲームも同様で課金である程度回復することも出来たか、それは即時発動でもなければ効果もそれほど高いものではなく不評を買っている。宇宙人への仕様変更の要望も過去何度も試みられたが、変更不能の仕様として突っぱねられていた。アバターはリアルな人間より遥かに優れていたが極めて人間的なものとも言えた。

STG/I:第四十五話:乖離

グリンはあの日以来ログインしていない。

竜頭巾が宇宙人と聞いてグリンを想起した一方で、リーダーとミリオタの脳裏を過ぎったのはサイトウだった。もっともそれを言葉にすることは出来ない。彼がどれほどサイトウに心酔しているかは誰も知っている。ミリオタですら言葉にすることを躊躇うほど。

一方で彼がいなかったら地球は無かったとことは重々承知している。それが言葉を容易に発せなくさせてもいた。

STG/I:第四十四話:秘密会談

シューニャは考えていた。

何を伝え、何を黙るか。

こういう時、ソロはつくづくいいと感じる。

コミュニケーションが面倒であり、嬉しくもある。

(戻る以上は黙っているわけにはいかないだろう)

サラリーマン時代の経験もあり人嫌いになった時期がある。「他人は自分の聞きたいことだけを聞き、自らの影に怯えている」そう感じた。それ以来、喋るのが嫌になった。肯定成分九十九%の事実も、否定的な人間には一%も届かない。様々な方法で伝える努力をしたが諦めた。「伝えることは不可能」であると。ましてや時限爆弾のようなニュースを冷静に受け入れられる人は恐らく一%いるかどうか怪しいと考え、彼の仕事は内向的になっていく。もっともそうした状態は辞める大分前の話しだが。

STG/I:第四十三話:無知と未知

永遠とも思える静寂。

何時からか、どこからか、地鳴りのような音がしていることに気づいた。

意識を飛ばし、それとなく探る。

どうやら巨星の奥からのようだ。

振動は次第に大きくなる。

加速度的に。

日本人の性か、あの大きな地震の経験からか、サイトウは思わず僅かに目を開け身構えた。

STG/I:第四十二話:捕食者

「・・・眩しい」

 

出たいと思った。

トンネルの先に光が見えた時。

ここは居心地が悪いわけじゃないけど、寧ろ居心地はいいんだけど。

出たいと思ったんだ。

どうしてか。

あの光の所に。

行けなければいけない。

「行きたい」

あの光の先に。

必死になって這いずって。

STG/I:第四十一話:胎動

(ココは・・・)

 

真っ暗なコックピット。

目の前には巨大な星。

星が大きすぎて真っ暗。

身体が動かない。

星の光が微かに内部を照らした。

首を少しだけ左へふる。

(なんで僕は濡れているんだ)

全身にナメクジが這いずったかのような後。

粘着性の何かで濡れているようだ。

身体が動かない。

ドキュメンタリーで見たことがある。

生まれたての子鹿。

STG/I:第四十話:ジェラス

俺はアメリカのゲームのエンディングというエンディングが大嫌いだった。

孤軍奮闘し、幾度もの絶体絶命の窮地を切り抜け、命からがらエンディングを迎えての悲劇的結末。何の解決にもなっていないという落ち。だったらこれまでの苦労はなんだったんだ。一人生き残った彼がどうしてこんな目に合わないといけないのか。

(俺は嫌だ)

絶対に、自己の何ものをも引き換えにしても絶対に。絶対にだ。俺はそういう人の気持ちを拾い上げたい。拾わないと。誰が見ていなくとも。誰の為でも無く。例え敵わなくとも、そういう馬鹿な人間がいたということが伝わればそれでいい。そうじゃないとイケナイ。そうじゃないと意味がない。人間である必要がない。

そんな主人公を救いたい。

誰か手を差し出さなくとも。

俺が。

絶対に。

何に引き換えてもでも。

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