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ジュゲの小説 Posts

STG/I:第三十四話:絶望と希望と

(速い!速すぎる!)

 

レーダーの倍率を変更し、辛うじてロックすることは出来た。

しかし近づくことは敵わず遠ざかる。

「ロック圏内から外れます」

「オートチェーサー!」

「了解」

オートチェイサーはロック以後の行動パターンから移動を推測するもの。

あくまで行動予測なので必ずしもそこにいるとは限らない。

最も可能性の高いルートを選択していく。

パートナーが自動で選択する場合と、登場者が選択することも出来る。

ルートはどれも、ほぼ、本拠点を指していた。

STG/I:第三十三話:孤立

日本・本拠点。

 

「部隊ブラックナイト、生存!」

 

悲鳴と歓声の入り交じる中、”猫いらず”の隊長、”舐めんじゃねぇネコ”は日本・本拠点でホログラムモニターを見ていた。

「なんてシツコイんだアイツら・・・(シネ・・・シネ・・・)」

その周辺には女性アバターの取り巻きを多数召し抱えている。

 

夜行色のゴムボールとなった彼らは作戦区域外に押し出されるほど流されていた。

 

彼らを襲った敵舌体群は総数の三割にも登る。

しかし攻撃が無駄とわかったのか、元の宙域へ戻っていった。

STG/I:第三十二話:絶体絶命

人は追い詰めらた時に本性が出る。

耳に心地のいい励ましや鼓舞から生じたやる気は現実の前に泡と弾けるだろう。

真に叶うのは長年生きてきた中で培われ育んで結果的に仕上がった信念だけ。

STG/I:第三十一話:境界

グリーンアイは現実だった。

名前の通りエメラルドグリーンのような瞳。

隊員の皆はその容姿と振る舞いから妖精ちゃんと呼んでいるようだ。

私はこうした身体的特徴を捉えた、嫌な感覚をもってつけたあだ名を一度も言ったことはない。ずっと言われる立場だったから。慣れることはない。喧嘩をする体力もない。ただ、ただ、耐えて、耐えて、無視して、偽って。変質してしまった。

でも今は違う。

サイトウを知ったから。

彼の態度。

まるで他人事のように妬み、嫌味、非難を聞く。

聞いていないわけでもない。

寧ろ、しっかり聞いて、質問をしたりする。

「それはどういう意味?」

相手は更に煽り馬鹿にし、罵る。

「あれはサイコパスだからだよ」

少し仲良くなったぐらいの時期にリーダーはそう言った。

頭が沸騰するんじゃないかというほど怒り踊りかかった。

あれ以来、格闘レベルも少し上げた。

二度と戻るかと思ったけどサイトウに諌められリーダーに誤りに行く。

でも先に誤ったのはリーダーの方だった。

STG/I:第三十話:グリーンアイ

「ありがとう」

「え・・・」

「ん?」

「どうしたの、何かあった?」

「なんで?」

「うん・・・何でも無いならいいんだけど」

「うん・・・」

目は合わせられなかった。

恥ずかしさがまだある。

病院を退院してから何かが変わったきがする。

自分の中で。

本当の死を感じたのは、これが初めてだったのかもしれない。

自分なりに今まで感じていたつもりだけど。

それは圧倒的な経験だった。

「守るから」

「え?」

振り返るお母さん。

(どうして聞こえるんだろう)

STG/I:第二十九話:リアル

「それは夢だ」

 

この一言で目が覚める。

起きがけの夢は大抵リアルに思い出せるものだが、全く思い出せない。

目立った汗をかけない自分が額と首周りにびっしり汗をかいている。

(誰が言ったのか?)

STG/I:第二十八話:敵と敵と敵の敵

「アルガナ、追ってが多すぎる戻れ!」

「フォロー頼む!引き離せない。機体レベルが低すぎて出力が足りん!」

「プリンは行ける?」

「ムリィ~!」

「わかった。タッちゃん、フォロー頼む」

「了解」

「こちらリーガル、俺はヤマアラシの救援に向かう。”おはぎ”マッシブグローリーを展開してくれ」

STG/I:第二十七話:STGアメリカ

「望みは何なの?」

ジェラシーは俺の夢の中ですら俺を離さなくなってきた。

「貴方の肉体はどこ?」

話を聞いていない点は地球人の女性と似ている。

こういう場合の対応もやはり同じなのだろうか。

無視されても腹を立てない、相手の質問には本心で軽く答える。

このやり取り意味なんてない。単なるスキンシップ。それでいて大切。

意味を求めるのはどの世界でも男だけなんだろうか。

宇宙人はどうだろうか。

STG/I:第二十六話:敵対同盟

激動の一ヶ月。

 

一週間の肉体的記憶の欠乏。

このSTG28が単なるゲームで済ますには考えられない事象。偶然にしてはタイミングが出来すぎている。

疑念は完全には払拭していなかったが、自分の身に起きた奇妙な体験の謎を解明したいという欲求と、プリンとケシャという存在が自らに行動を起こさせた。

「彼女らを一人の大人としてなんとか手助けしないと」

幸いにも失われた一週間後、これまでに無いほど体調が良かったのも明らかな後押しとなる。「健全な精神は健全な肉体に宿る」と嘗て言われ「嘘つけ、ボケが!」と思ったが、身体を完全に破壊された身からすると、「間違ってない」と言える。生きるのすらやっとなのに、他にことになぞかかずらわっている力はないのだ。

 

シューニャは初めて自ら部隊を結成する。

STG/I:第二十五話:ニューゲーム

苦しい。

 

(夢?誰、なんで泣いているの)

 

しゃがみ込んだ中年の男。

 

「サイトウ?どうしたの」

 

男は彼女に気づくと恐ろしいモノを見たように後ずさる。

彼は立ち上がると逃げた。

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