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タグ: 黄色いレインコート

黄レ麗:第六十四話:修学旅行

「いかないよ」

思い込んでいた。
普通に修学旅行は行くものだと。
アルバイトもしている。
僕と彼女の時給は同じだからわかる。
文化祭や体育祭の時とは状況が違う。
今や僕らは友達だ。
それとも「名無し」の件がまだ解決していないからか。
どうして。

黄レ麗:第六十三話:「名無し」の影

不幸中の幸いだったと思う。
修学旅行が近い。
正直なところ諦めていた。
修学旅行もきっと一人だろうと。
考えないようにしていた。
だから幸運だったかもしれない。
春の雪解けのように嘘みたいに元通りになっている。
少しだけ関係性は変化したけど。
そこは後戻り出来ない部分なのだろう。
でも前より良い気がする。
一見すると九月頃と大差ないクラスの空気感。
でも明らかに違う。
前よりつながりが深くなった相手も少なくない。
以前とは違う関係性。
なんだ少し大人になった気分。

黄レ麗:第六十二話:レイコのウラガワ

私は裏切らない。
私は裏切ってはいけない。
その資格はない。
絶対にやってはいけない。
アイツらとは違うから。
あの豚共とは違う。
私は裏切らない。
マーさんを裏切らない。
大人のマーさんは待っているはず。
(ならどうして来ない)

黄レ麗:第六十一話:嫉妬

あれからマキと緩やかに仲が回復している気がする。
睨みつける彼の目線は穏やかになり、どこか吹っ切れたものを感じる。
ただ、挨拶をしても言葉は返ってこない。
僕を見て頷くだけだ。
それでも僕自身はそれを挨拶だと思っている。
先生が以前言っていた。
「小さな子供が『こんにちわ』なんて言わないのが普通だよ。躾は大切だけど、僕なんか強要はいらないと思う。子供は大人より話を聞いているから理解しているよ。必要と感じてないだけでね。子供同士は目と目があった瞬間に互いを認識し、その段階で挨拶は終わっている。だから必要に感じない。それで通じているからね。それぐらい肉体感覚が直なんだよね。それが成長とともに鈍ってきて言葉が必要になる。したい人はすればいい。したくない人はしなければいい。そしてその当然の結果が返ってくる。その際は言い訳無用だよ」

黄レ麗:第六十話:孤立

「おはよ」
いつもの挨拶。
「おいっすー」
「おはよう」
「おはよろ~」
「おう!」
「おっはろー」
「おっす」
「おは」
「気合だ、気合だ、気合だ!」
「おいっす、おいっす、おいっす~」
挨拶ですら色々なんだ。

黄レ麗:五十九話:波紋

僕自身はナリタの一件でどこか吹っ切れたのかもしれない。
裏を返せば自分の中にもわだかまりが出来ていたということか。
クラスメイトが僕を腫れ物に触るように見ていると考えていたのは事実だと思う。
初めはその程度だったかもしれない。
でも、それを結果的に更に促したのは僕でもあるのか?
先生が言ってた。

黄レ麗:第五十八話:それぞれの勇気

「うぜーんだよ」
ナリタ・・・お前・・・そういうヤツだったのか。
挨拶だけでウゼーとか、どんだけお前のハートは薄いガラスなんだよ。
今時のガラスの方がよっぽど丈夫だぞ!
心の痛風か!
無視され出してからも朝すれ違ったり目の合ったクラスメイトには声をかけている。僕が今、学校で声を発する唯一の機会。
ナリタに挨拶したらコレだ。
落ち着け。相手のペースに飲まれるな。
笑顔で取り繕いそうになる自分を抑え、黙って見返した。

黄レ麗:第五十七話:女生徒達

クラス中が僕を無視する中、唯一応えてくれる人がいた。
それは大天使ナメカワ。
クラスはおろか、学校で一目も二目も置かれている才女。
何より可愛い。可愛すぎる!
彼女だけは僕の挨拶に応えてくれた。
それがどれほど救われたか彼女は知らないだろう。
でも、だからこそ、彼女を巻き込んではいけない。

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