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タグ: 小説家になろう

STG/I:第八話:フレンド

「そうだね・・・」

彼女は悲しそうな顔をしていた。
八年前だったろうか、二人で久しぶりに映画へ行った後、イタ飯屋で夕食。
話題の流れとは関係なく彼女は聞いてきた。
「結婚とか・・・考えないの?」
「考えてないね」
自分で驚くほど即答した。
それぐらい煮つめていたようだ。
こんな身体では土台無理。
(不幸の連鎖に巻き込みたくない)
彼女には身体の異常は言ってなかった。
悪そうだということは薄々察していたようだが、薄々と現実にはかけ離れたものがある。
相手の足を引っ張るのはご免だった。

STG/I:第七話:ブログ

(妙だ)
ふと思い出した。
記憶力は元から無い方だけど最近は特に酷い。
にも関わらず、どうでもいいことを何故か憶えていたりする。
今回のこれもそれだ。
初めてハンガーで見た時、彼のSTG装備はパルスバルカンだった。
それがアラートで出撃した時の装備はツインバルカンになっていた。
「サポーターが装備してくれたんだろうが、確か初期装備はパルスバルカンしかなかったと思うんだけどな・・・」
些細なこと。
でも、こうした些細なことを何故か彼は覚えていた。
夜中に目が覚め、彼は日課のメールとニュースに目を通し、不意にそんなことを思い出した。

お知らせ:STG/I各サイト掲載開始

STG/Iをこれまで本サイトでのみ試し書きしており…

やり彼:第六話:キス

「信じられん!」

知らず声に出た。
「なになにどうしたの?」
メソは今日も家にいる。
彼女は神出鬼没で、何時間もいる日もあれば十分ぐらい帰ることもある。
まるで忙しいサラリーマンが立ち食いそば屋やコーヒーショップに寄るような感じだ。
「これだよこれ」
彼女は本を読むのを止め俺がタブレットを手渡すと目を通した。
IT機器にけして弱いわけでもないのに彼女は紙の本を読む。
俺は究極的に暇な時、検索サイトのヒャッハー!で質問箱を読むことがある。
ほとんどが嘘みたいな嘘ばかりで、下手なもの読むよりバカバカしくて笑えるからだ。
「世も末だよな!小学生の癖にだよ、『彼とは何時ごろキスした方がいいんでしょうか?』って質問。小五だぞ!ふざけんなよマジで。多分いたずらだと思うんだけどさ、本当に信じちゃう子がいたらどうするんだ。一生のルートが変わっちまうんだぞ。最近のドラマや漫画、ゲームは性的な表現が多すぎるんだよ。その影響に違いない。全くな!二億六千万年早いよ」
どうでもいい話のつもりだった。
心のどこかで、きっと彼女なら「もうやだ~」で俺が「あははは」で終わると思っていた。

黄レ麗:エピローグ:これからの二人

先生はいきりな不機嫌になった。
「怖気づいたか」
「え・・・」
僕がミズキちゃんのことを言うまでは機嫌よさそうだったのに。
「それでも男か」
「あの・・・」
「キンタマついてるのかって聞いてるんだ!」
僕は縮み上がった。
先生の怒声に。
この不理解に。
先生がどうしてそんなに怒るのか。

ほんの僅か前。

黄レ麗:最終話:高校デビュー

「ありがとうございました」
全力で走り過ぎた。
調子こいた。
疲れた。
息が切れすぎてヤバイ。
もうそれなりに寒くなってきたというのに僕は身体も心もホカホカだった。
コンビニのレジ袋を眺める。
メロンパン二つにフルーツ牛乳といちご牛乳。
(レイさんは苺が好きな気がする)
予想より早めに着きそうだったのでコンビニに寄った。
一限目の休み時間でつまみ食いしよう。
(メロンパン・・・)
一つは僕の分、もう一つは彼女の。

コンビニでパンを物色した時、初めて彼女と喋った日を思い出した。

黄レ麗:第六十二話:レイコのウラガワ

私は裏切らない。
私は裏切ってはいけない。
その資格はない。
絶対にやってはいけない。
アイツらとは違うから。
あの豚共とは違う。
私は裏切らない。
マーさんを裏切らない。
大人のマーさんは待っているはず。
(ならどうして来ない)

黄レ麗:第六十一話:嫉妬

あれからマキと緩やかに仲が回復している気がする。
睨みつける彼の目線は穏やかになり、どこか吹っ切れたものを感じる。
ただ、挨拶をしても言葉は返ってこない。
僕を見て頷くだけだ。
それでも僕自身はそれを挨拶だと思っている。
先生が以前言っていた。
「小さな子供が『こんにちわ』なんて言わないのが普通だよ。躾は大切だけど、僕なんか強要はいらないと思う。子供は大人より話を聞いているから理解しているよ。必要と感じてないだけでね。子供同士は目と目があった瞬間に互いを認識し、その段階で挨拶は終わっている。だから必要に感じない。それで通じているからね。それぐらい肉体感覚が直なんだよね。それが成長とともに鈍ってきて言葉が必要になる。したい人はすればいい。したくない人はしなければいい。そしてその当然の結果が返ってくる。その際は言い訳無用だよ」

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