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日別: 2018年6月19日

STG/I:第六十四話:淵

管の中をビーナスはウミヘビのように泳いだ。

 

STGのメンテナンスは外殻内部の生体組織とナノマシンにより自動的に行われているが、バランス限界を越えた自己修復不能な事象に対して搭乗員パートナーが事に当たる。逆にパートナーはSTGの生体組織からエネルギーを供給され、病や故障が無いのもSTのお陰である。よってパートナーは食事を必要としない。またSTGで修復不能なパートナーの事象は本拠点施設で施術される。パートナーとSTGは共生関係にあった。双方はそれぞれコア(脳機能に相応する部位)を持ち独自に思考をする。マザーとは常時接続され、膨大な能力のバックアップを受けられる。共に最優先の使命は搭乗員の安全であるが、搭乗員・パートナー・STGの順に決定権は決まっている。命令を施行することで搭乗員の安全が著しく脅かされる可能性がある場合は基本的に受理されないが、竜頭巾が使用したデス・ロードのように、特定の承認プロセスをとることで最終的には搭乗員の命令が実行可能。

パートナーはありとあらゆる場所へ侵入出来る専用の通路があり、そこは専任のパートナー以外は通ることが出来ない。無数の管は人間の血管のように張り巡らさせ半ばゲル化した液体で埋まっている。血管を巡る白血球のように自在に泳ぎ、外敵を排除する役目もパートナーにはあった。内部へ侵入された際の白兵戦用装備も多数もつ。

 

ビーナスはコックピットのメイン通路にポトリと落ちた。

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